高校生の不登校と親の対応

高校

私どものところにも、高校生の親御さんからの不登校のご相談も多く、かなり深刻に思い詰めていらっしゃる方も多いなあという印象を受けます。

高校生の場合、義務教育ではないので出席日数と単位の問題から、小中学生より神経質になる親御さんは多いようです。

高校生という時期に「不登校」であるという不安

実際、高校における不登校を統計的に見ると、40人クラスに1人はいるのでそんなに珍しいことではありません。

そうは言っても、このまま不登校が続いていて、もし、留年してしまったら?退学したり、卒業できなかったら?その先の就職は?結婚は?自立・自活することはできるのだろうか?一生引きこもりやニートになるんじゃないか?

と先々への不安が大きくなり、その焦りや憤りの感情を思わず本人にぶつけてしまうケースもあると思います。

不登校には様々な要因があると思いますが、まずは高校生の不登校によくあるタイプについてお話したいと思います。

高校入学後に多い無気力タイプ

受験を乗り越えて進学校へ入学したお子さんなどに多いタイプです。

周囲の期待に応えようと頑張って入ったものの「これからどうやって生きていったらいいのか」と、不安になってしまうのです。

このタイプのお子さんは、学校へ全く行かなくなる以前から断続的に学校を欠席する傾向があります。

登校しないことへの罪悪感はほとんどなく催促すると登校してくれますが、一時的なことで長続きはしません。楽しい行事があれば進んで登校することもありますが、普段は些細なことでも欠席の理由につなげてしまいます。

課題などに対して積極的に取り組む意欲が著しく減退してしまうので、見守るだけの姿勢でいると、不登校が長期化してしまう怖れもあります。

 

学ぶ意義や目標なく登校を強いられることは、辛い

このタイプの場合、受験に合格することが中学生までの勉強の目的となっていたため、受験が終わっていざ親の期待した進学校に入れたら、その先は「なんで頑張るのかが分からない」という状態です。

高校に入ってから急にやる気がなくなったように見えても、実はそうではありません。

中学生の頃から、勉強や通学に関して本当は前向きではなかったのかもしれません。もともと、受験という短期的な目線で勉強をしていたので、それが終わった以上もう学校に行く意義が見当たらないのです。

長期的な視点が重要

特に高校生の場合、出席日数や単位が不足すると留年の心配も出てきますので、親御さんはどうしても、一日でも早く学校に行ってほしい、せめて高校は卒業してほしい、と焦ってしまいます。

ですから、親御さんは終始「学校に行きなさい」という声掛けをしたり。「学校に行ってほしい」という思いばかりに固執して苦しくなってしまうのです。

朝、なかなか起きてこない子供を無理矢理起こして、朝食の席につかせようとしてもいっこうに動かないお子さんを見てイライラしてしまうかもしれません。「情けない」とか、「甘えている」とか感じることもあるでしょう。

お子さんのより良い未来のために、なにができるか

「学校に行かせる」ことを、親御さんの中でのゴールに設定していませんか?

学校に行けないとか、人間関係がうまくいかない、といった目先の問題を解決するところに人生のゴールがあるわけではありません。そこをもう一度確認してください。

将来のことを想定したうえで、どうすれば自分の力で立ち上がれるのか自分の力で歩き続けられるようになるのかそのために、親としてその時々に何ができるのか、といったことを明確にする必要があります。

近視眼的になり過ぎて「学校へ行けるようになるには、何をしてもいい」という発想をしてしまうと、お子さんの自立を遅らせてしまう原因にもなってしまうのです。

お子さんは、親御さんの心を受け継ぎます

お子さんは親御さんの心を受け継ぎながら成長していきますので、親御さんが神経質になればなるほど、うまくいかなくなります。

親御さんがマイナス思考に陥ってしまうと、お子さんもどうしても同じように悪い方に、悪い方に考えてしまうようになります。

お子さんの性格や考え方が、父親(または母親)にそっくりということもあると思います。不思議に思われるかもしれませんが、親と子は「鏡」の関係なので、親御さんの考えや思いは自然とお子さんに受け継がれているのです。

フェアな心で物事を見るようにする

不登校で悩まれている親御さん方は、往々にして現状に対してマイナス部分だけしか見えていないケースが多くあります。

しかし、物事を良い方向に展開させていくには、「素晴らしいところは、素晴らしい」と把握し、「修正すべきところは、修正しよう」と思うところからはじまります。

たとえば、不登校になっているからと言って、そのお子さんがなにも考えていないかというと、それは違います。

どんなお子さんでも、それぞれなにかしら夢や好きなこと、夢中になれることを持っていたりします。そのために、今何をすることが大事なのか?と一生懸命考えようとしていることも。

学校に行かないという事実を見ると、その子があたかも何もせず立ち止まっているように見えるかもしれませんが、そうではなく、成長するための過程なのかもしれません。そんなお子さんの想いや隠れた能力をつぶしてしまわず、育てていくことが大切です。

今ある財産に気づいて

また、親御さんの生き方を見てみても、将来への可能性を感じます。

私のところにご相談に来る親御さんは、みなお子さんの現状に対して本当に一生懸命心配しています。その心配するお気持ちの中に、誠意を感じます。

お子さんに対して、言いたいのをぐっと我慢しているさまに、配慮を感じるのです。

不登校という事実を目の前にすると、マイナスなことばかり考えてしまいますが、今あることの素晴らしさ、その財産に気づくということも大切なことです。

不登校は直さなくてもいいし、治さなくてもいい

これは高校生の不登校ということに限らないのですが、まず一番に考えるべきところは「問題が起こるということは、今までの生き方や思い方を変える必要があるかもしれない」ということです。

ある親御さんは、お子さんの不登校をきっかけに、今までの自分の自虐的で、悪い方に悪い方に思うクセに気づき、それを変えようとしています。

不登校という事実だけを見て、本人の精神が病んでいると思い、病院に連れて行って、病名をつけてもらい、病気として治療をする。それも一つのあり方なのかもしれません。

しかし、私は不登校が病気だとは思いません。だから直す・治すという発想とも違うのです。

私の取り組みは、人材育成という観点からのまったく新しい取り組みです。それを「心づくり」と呼んでいます。今までの思い方や考え方のクセなど、まず親御さんの心を変えることで、ゆるやかな変化をもたらしていくのです。

まずは親御さんが前を向く

お子さんの不登校で悩んでいると、 お子さんの将来が心配で仕方がないと思います。

不登校の解決を目指すためには、お子さんが前を向くようにならないと、改善の糸口は見つかりません。

ですが、「鏡の法則」により、お子さんが前を向くようになるためには、まず親御さんも前を向く必要があります。

学校に行かない、行けない今の状態を受け入れられなかったり、すべてが悪いことだと感じたり、なんとしてでもとにかく登校することを第一に考えたり・・・そうしているうちは、残念ながら親子のどちらも前向きになることは難しいでしょう。

不登校の高校生の息子を持つ、あるお父さんのケース

親御さんの物事の捉え方・感じ方・そして生き方そのものが変わることで、お子さんへの接し方も変わります。

そして、その結果として、お子さん本人にも変化が訪れます。その一例をご紹介します。

 

Aくんのお父さんは、一年ぐらい前までは

「高校ぐらい出ていないと人生は終わりだ」

「この子の一生を面倒見ないといけないだろう」

などと心配して、すべてが暗い発想でした。しかし、ご夫婦で私のところにご相談にいらしてからは、

「高校を出るよりも、自分でやりたいということを見つければよい」

「息子の持っている能力を発揮させてやりたい」

と、仰ることに変化が現れたのです。親御さんは息子の不登校を心配するあまり、自らどんどん深い迷路に入ってしまい、暗い心を抱いていたのです。

しかし、一年間心づくりのトレーニングをしたことで、その迷路から脱出することができ、まず親御さんがきっちり前を向くことができるようになったのです。

その結果として、お子さんも前を向くようになり、それぞれのチャレンジが始まっています。

「学校に行くか、行かないか」それがご両親の思考の中心だった時とは違い、どんな人生を歩んでいきたいかという将来を見据えたうえで、やりたいことに取り組む人生というのを意識したことで、息子さんも自立に向けての第一歩を踏み出すことができたのです。

まずは朝、起きられるように

いきなり学校に行けるようになるかというと、そうではありません。

少しずつではあっても好天的な変化の連続で状況は改善していくのです。例えば、朝一人で起きるということ。

まずは、親御さん自身が自分自身の今までの状況変えようと、「気づく→動く」を繰り返すようにしました。

親御さんでも、会社に行くのが憂鬱だなと思うことがあると思います。そんな時、今までは布団に留まったまま嫌なことを頭でイメージしていた。

それを、朝少し早く起きて、自ら朝食の準備をして好きなメニューを加えてみる。

自分でワイシャツにアイロンをかけて、パリっとさせることで気持ちよく着替えられるようにする。

そうすることで、家族からも感謝をされる。息子さんが布団から出られなくても、「行きたくないと思うことも、あるよね」と共感し責めない。家庭内の空気を良い方に向かわせようと、親御さん自身が自然と前を向く努力を続けると、お子さんにも必ず変化が現れます。

それを見ていたお子さんも、朝、自分で起きるようになり、家の手伝いをするようになり、勉強もするようになったそうです。

いきなり学校に行けるという状態になるわけではありませんが、まずは前を向けるようになり、家庭の中での生活が変わるということは、自立心ができるということですから、将来に向けた心の姿勢をつくるためには大切なことなのです。

努力の仕方を間違わないために

お子さんのためにやっていると思っていたことが、実は親御さんの理想の押し付けになっていたり、プライドや世間体のためになっているということはよくありがちなことです。

親御さんとしては一生懸命やっているつもりでも、心が変わっていないまま無理矢理学校に行かせようとしているのでは、いつまでたっても状況は良くなりません。

親御さんの「心づくり」からはじめる高校生の不登校対策について、ぜひお気軽にお問合せください。

 

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